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仙境尾瀬・かがやきの時
| 2005年7月、福島、群馬、新潟の3県にまたがる高層湿原・尾瀬を歩いてきました。台風一過の快い空の下、かがやきにあふれた尾瀬が展開していきました・・・。 <特集> 時間を追って尾瀬の散策を楽しめる「ヴァーチャルツアーシリーズ」です。ぜひご覧ください。 「尾瀬ヴァーチャルツアー#1」(2006年10月13日撮影) ・・・秋の尾瀬に迫ります。ルート紹介に重点を置いています。 「尾瀬ヴァーチャルツアー#2」(2007年6月16日撮影) ・・・初夏の尾瀬を特集。花々の写真に重点を置いています。 |
![]() 尾瀬ヶ原と至仏山 (群馬県片品村、2005.7.28撮影) |
![]() 大江湿原と尾瀬沼 (福島県檜枝岐村、2005.7.28撮影) |
| 訪問者カウンタ ページ設置:2005年12月30日 |
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2005年7月28日、尾瀬は過ぎ去った台風の置き土産で雲ひとつない晴天のもとにありました。尾瀬は、群馬県の地域や風土を題材とした「上毛かるた」では「せ」の札で取り上げられ、“仙境尾瀬沼花の原”と詠まれています。仙境とは、まさに仙人の住むような俗界を離れた景勝の地のこと。標高およそ1400メートルに、約760ヘクタールにわたって展開する尾瀬ヶ原は、2000メートル級の山々に囲まれたまさに別世界 ということなのでしょうか。ミズバショウをはじめとした四季折々の植物たちが可憐な姿を見せる湿原、それらのみずみずしい草原をたおやかに見下ろす緑の峰々のすがすがしさ、点在する池塘や小川の水のきよらかさ、そして天空の恵みがそのまま舞い降りてきているかのような屈託のない空。尾瀬を巡る道程はそのような慈恵を満喫しながらのものとなりました。
尾瀬の代名詞ともいえるミズバショウは花期をとうに過ぎて、黄緑色の大きな葉をいっぱいに伸ばして地に張り付いていました。それに変わり、木道の周辺にはさまざまな花を見ることができました。正確に名前を調べられないのですが、ノアザミやヤマユリ、ホタルブクロなどが小さいながらもそれぞれに野趣あふれるかわいらしさを見せていました。牛が伏して湿原に向かって首を下げているようにも見える牛首からは、東電小屋方面への木道が分かれていきます。このあたりまで来ますと、尾瀬ヶ原を東西から見守る2つの山の姿がくっきりと、穏やかに見えるようになっていきます。仏に至る山と書く至仏山は最初にも書きましたとおりゆるやかな山容が美しい、女性的なイメージの山です。標高1700メートル付近を境として上方は蛇紋岩、下方は花崗岩で形成されているこの山は、その地質的な特質に合わせるように森林は中腹までで消え、山の上半分は草本を中心とした植生に覆われています。至仏山と尾瀬ヶ原を挟んで反対、東の方向に見える燧ケ岳は、対照的にごつごつした稜線を持つ山です。円錐状の火山に側噴火が生じて溶岩ドームが発達したことから複雑な山容が形成されたとのことです。竜宮へ向かう途中、池塘に燧ケ岳の姿が映りこんでたいへん晴れやかな風景が展開する場所があります。クリアな輝きと緑に彩られた燧ケ岳の姿に酔いしれました・・・。
そして、最大の感動は突然にやってきました。尾瀬沼ビジターセンター方向への道と沼山峠方面への道が交差する付近の湿原一帯に、大規模なニッコウキスゲの群落が目の前に現れたのでした。湿原を覆い尽くす山吹色の絨毯は圧巻の一言で、ここまでの疲れが一気に吹き飛んでしまうくらいの感動を覚えました。夏の陽射しを一身に浴びて、湿原に舞い降りた花々は、大地への感謝と慈愛に満ちた交響楽を奏でる楽団のように晴れやかな容貌を呈していました。抜けるような青空、迸る夏の陽光、こぼれんばかりの緑の背景の中にあってはじめて輝きを増すニッコウキスゲの“乱舞”は、まさにこのかがやきの時にだけ巡ってきた奇蹟であったように思いました。 仙境・尾瀬を歩くたびに、自然の姿に圧倒され、癒され、穏やかな血流が体にしみわたっていくような気持ちになります。今後とも機会を見つけて尾瀬を訪れ、自然に敬意をはらいながら、その恵みに浸っていきたいなと思います。 |
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