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シリーズ京都を歩く
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1.東山散策 |
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第三段 祇園界隈 高台寺から石塀小路を抜けて、東山安井に出て、京都五山ナンバー3の名刹建仁寺の結構を一瞥した後、正午前に祇園・花見小路へ。お昼時になったので、お茶漬けを主体とした定食をいただいたあと、多くの人々でごったがえす、花見小路を歩きました。人も多いのですが、それを押しのけるように車の数も多く、クラクション鳴り響く騒々しい巷でした。しかしながら、老舗お茶屋の万亭に代表される、古の風情を感じさせる町屋の景観は素晴らしく、いくら日本各地の「小京都」が京都を装うとも、「ここがほんまもんの京都」ということを堂々と主張しているように感じられましたね。とりわけ、四条を越えた北側の白川沿いに整備された石畳の遊歩道は、周囲の町屋の景観、美しい桜並木、こんこんとまちを流れ行く白川の水面とがあいまって、ゆたかな京都の景観がつくられていましたね。 八坂神社も、それはそれは激しいほどの人の波に覆われていました。正月も4日になったというのに、初詣に訪れる人の列は途絶えることがないかのようです。東大路と四条の丁字路周辺の商店街を見下ろすように建つ八坂神社の山門の景観は、やはりここ東山を代表するものであるといえるでしょうか。とはいえ、あまりに混雑ぶりにそういった感慨に浸る間もなく人の波に押され、参拝を済ませるのが精一杯でしたね。ぜひ、夏の祇園祭の活気も味わってみたいものです。境内を過ぎ、桜の名所円山公園を通って、北東にある知恩院へと赴きました。
知恩院に来るのは、高校の修学旅行以来です。手持ちのガイドブックに「何もかもがビッグなお寺」と形容されているように、山門も、御影堂も、すべてが圧倒的な規模でもって参詣客を出迎える名刹ですが、特別拝観を実施していた庭園や背後の山亭は、このような規模とは違った知恩院の魅力を楽しむことができます。特に、山手にある山亭からは、手前に知恩院の伽藍と周囲の豊かな緑を配した景観を配した、京都の町の遠景をすがすがしく眺めることができます。東山の丘陵と、西側に広がる長岡京方面の背後の丘陵とのあわいにゆたかに展開する京のすがたは、圧巻の一言に尽きます。日が翳り、風に木々がゆれると、ほほに伝わる風が冷たいものの、帰路山門に向かう手前に咲いていた白い山茶花の古木が一服の季節感を与えてくれて、暖かい気持ちになれました。 東山区最後の訪問地は、知恩院北側の青蓮院です。たくさんのくすのきに囲まれた緑豊かなお寺でした。ここも、特色のある2つの庭園の美しさで知られます。背後の山の緑を活かし、谷から水を引き入れた「祖阿弥の庭」は、シンプルにしてみどりとみずのよさとをうまく融合させた名園、一方の「霧島の庭」は、苔むした縞状の造形を中心に木々を配したつくりの庭で、背後の斜面を利用してつつじが立体的に配され、花期にはさぞ美しい庭になるであろうかと思われる、すてきなお庭でした。
1つ気になったことが、この青蓮院に東接して、大規模なマンションが建設中であったことでしょうか。付近は、天然記念物に指定されている大くすのきをはじめ、豊かなクスノキの並木が瑞々しい緑の街路をつくりだしています。青蓮院に展示されていた報道資料等によれば、京都市が景観が損なわれることを憂慮し、高さの制限を行ったようですが、知恩院から青蓮院にかけての、この穏やかな景観に少なからず影響があるのでは、とも思われたのでした。 午後2時過ぎ、青蓮院を出た私は、平安神宮方面へ進みました。 |
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