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11.ネモトシャクナゲ(福島県) 福島県安達太良山や吾妻山には、このネモトシャクナゲが群生しており、国の天然記念物に指定されています。ネモトシャクナゲは、福島県に限らず、北海道から本州北中部の高山帯、亜高山帯に分布するツツジ科の常緑低木で、ハクサンシャクナゲのおしべが花弁化した八重咲きの変種です。1903(明治36)年に吾妻山で発見され、発見者の師である根元氏の姓を記念して「ネモトシャクナゲ」と名づけられたのだそうです。 花は白または淡紅色で、放射状に延びる硬質の葉の上に、かたまって花を咲かせます。花期は5月から6月にかけてで、高山によっては7月に花を咲かせることもあるようです。典型的な高山植物でして、冬の寒さに適応した厳しい環境のもとで、可憐な花をつけます。その一方で夏の暑さには弱い花のようですね。
高山の過酷な環境の中にあっても、ひたむきに美しい花を咲かせるネモトシャクナゲですが、福島県の雄大な自然を想起させるとともに、花そのものの力強さというか、たくましさといったある種の「揺るぎなさ」のような凄みを感じずにはいられません。あるホームページ上でみつけたのですが、ネモトシャクナゲの花言葉は「荘厳」とか「威厳」なのだそうです。このような花のイメージからなのでしょうか、いずれの言葉にも、「厳」の文字が含まれています。周囲がいかに自らにとって棘のごとき環境にあっても、芯を曲げずに存立して耐えながら、そういった苦労を微塵も感じさせないくらい、たおやかな容貌を見せて周囲を和ませる。人間としても、かくありたいな、そう思います(実際は、きっとそうはならないのでしょうけれど・・・)。 石楠花に風立つ深山の夜汽車かな |
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