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#4 新倉山浅間公園から眺望 〜世界的に有名な桜とのコラボレーション〜 2021年4月7日、早朝に地元を出発し、国道140号を通って、秩父を経て山梨県内へ入りました。同県が有数の生産を誇る桃畑の多くが、ピンク色に染まり、春たけなわを迎えていました。頂上付近に雲を頂きながらも、晴天のこの日は富士山のほぼ全容を望むこともできました。「御坂みち」と呼ばれる国道137号を利用し、甲府盆地から御坂峠を越えて、富士吉田市へと入りました。
富士吉田市の市街地に入る手前、富士急行下吉田駅の北側、中央道富士吉田線のすぐ北に広がる新倉山。山裾は下吉田駅付近の市街地へとつながる住宅地となっていて、新倉山との間の低地を充填しています。三國第一山新倉冨士浅間神社は、その中腹に鎮座しています。705(慶雲3)年に地域の氏神として創建。807(大同2)年の富士山の大噴火にあたり、当社を勅使が訪れて鎮火祭を実施し、その時、平城天皇より三國第一山の称号が与えられたと伝わります。新倉山に寄り添うようにある社殿に参詣してからは、神社の神域を兼ねる新倉山へ、長い石段、通称「咲くや姫階段」を登っていきます。 階段の途上から、満開のソメイヨシノが訪れる人々を迎えてくれ、南側の眺望が効く場所からは早くも富士山を望むことができるようになります。新倉山浅間公園として整備される山肌には、ソメイヨシノのほか、躑躅などの花や、多くの針葉樹などによって豊かに彩られています。それらの木々も穏やかに芽吹きの季節を迎えていて、桜色に薄い緑色を添えてくれています。園内に縦横に張り巡らされた遊歩道沿いには、南側の斜面一帯に約650本のソメイヨシノが植えられています。午前中のまだ弱い春の日差しと、春色のしなやかな空に、ソメイヨシノのたおやかな桜色が映えます。
新倉山浅間公園でのハイライトは、富士山と五重塔と、ソメイヨシノが一望できる風景です。五重塔は仏塔ではなく、戦没者を慰霊するために建立された忠霊塔です。しかしながら、その塔とソメイヨシノ、そして富士山を同時にひとつの画角でとらえることができる、日本らしい風景は、海外でも広く注目されることとなりました。今日では、国内のみならず、海外からもこの奇跡的な風景を目にしようと、多くの観光客が訪れるようになりました。この日は、よい天気ではありましたが、最後まで富士山の頂上付近の雲がとれませんでしたが、それでも雄大な裾野を広げて、頂上付近に雪の残る富士山を背景とした桜と五重塔のコラボレーションを、心ゆくまで堪能することができました。 |
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