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大阪ストーリーズ


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#22 中之島となんば周辺の夜景 〜2014年、冬の大阪一夜の風景〜

2014年11月23日、京都市内の紅葉を巡る彷徨を終えた私は、東福寺駅より京阪本線を利用し一路大阪へ、終着駅の淀屋橋駅まで到達しました。時刻は午後6時近くとなり、地上に出ますとあたりはすっかり夕闇に包まれ、漆黒の空が都会の光の海の空隙を埋めていました。

土佐堀川

土佐堀川の風景(淀屋橋より西方向)
(中央区大阪城、2014.11.23撮影)
日本銀行大阪支店旧館

日本銀行大阪支店旧館
(中央区大阪城、2014.11.23撮影)
堂島川

堂島川、大江橋より西方向を眺める
(北区中之島二丁目、2014.11.23撮影)
土佐堀川

土佐堀川と淀屋橋の欄干が見える風景
(北区中之島二丁目、2014.11.23撮影)

 淀屋橋を渡り、大阪屈指のビジネス街のひとつである中之島へと歩を進めます。中之島は言うまでもなく、大阪市の中心部を流下する旧淀川が形成した中州です。藩政期には諸藩の蔵屋敷が集積し、物資が集約される、「天下の台所」と呼ばれた大坂の中枢的な役割を担いました。近代に入りますと市役所を始め、中央公会堂や府立中之島図書館、日本銀行などが立地し、行政・文化施設が立地する地域としての性格も帯びるようになりました。2008(平成20)年には京阪中之島線が中之島を東西に縦断するように開通し、相対的に開発が遅れていた西部のリノベーションも進捗しています。

 淀屋橋周辺から大江橋へ、土佐堀川(中之島南側の流路の名称)や堂島川(同北側)の風景を眺めますと、先述した近代建築の荘厳さと、高層ビル群が林立する現代的な清新さとが、夜の町明かりに照らされて、一層美しく目に映ります。大阪は水の都と呼ばれます。江戸時代の大坂は、物流のために町中に縦横に水路が張り巡らされていまして、水の都たる都市景観を構成していました。現在ではその多くが高速道路や幹線道路の用地や市街化の進展によって埋め立てられましたが、中之島周辺は今も変わらぬ、都会のウォーターフロントとしての伝統を現代に伝えています。欄干の親柱の灯された石燈の穏やかな光が、この町が歩んだ歴史を静かに物語っているように感じられました。

クリスマスツリー

飾られていたクリスマスツリー
(浪速区難波中二丁目、2014.11.23撮影)


「光の庭」と題された電飾(なんば光旅)
(浪速区難波中二丁目、2014.11.23撮影)
なんば光旅

「なんば光旅」照らされる商業施設(なんばパークス)
(浪速区難波中二丁目、2014.11.23撮影)
なんば光旅

「なんば光旅」のイルミネーション
(浪速区難波中二丁目、2014.11.23撮影)

 


 中之島の夜景を一瞥した後は、地下鉄御堂筋線を利用し難波周辺へと移動しました。この日は難波から出発する夜行の高速バスを利用し地元に戻る予定でした。バスが出発するまでの時間を利用して、南海難波駅周辺で開催されていたライトアップイベントを見て回りました。様々な趣向が凝らされた電飾はまばゆいばかりに七色の光を放って、夜の商業施設(なんばパークス)をきらびやかに彩っていました。寒さの中でいっそう輝きを増すイルミネーションは、冬の冴えわたる空気の透明感をそのひとつひとつの電球に込めているようにさえ感じさせました。

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