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都道府県花暦

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37.レンゲツツジ(群馬県)

 上州の高原は、初夏に華やかな彩りに包まれます。この文章を書いているのは6月なのですが、先日、新聞の紙面に、赤城山の新坂平でレンゲツツジの花が見頃、という記事が載っておりまして、濃いオレンジ色の花がたいへん鮮やかな写真が添えられていました。前橋市方面から、赤城山を南から登る道路を駆け上がると、エネルギー資料館のあるなだらかな一帯に到達します(新坂平と呼びます)。この高原状の場所いっぱいにレンゲツツジが生育していまして、シーズンともなりますと、多くの見物客が訪れる名所となっています。付近は牧場になっていて牛が放牧されていますが、レンゲツツジが牛に食べられてしまうことはありません。実は、レンゲツツジには花や葉、根に毒があるのだそうです・・・。口にしますと、腹痛、嘔吐、下痢を起こし、ひどい場合には全身痙攣から呼吸麻痺に至るという、何とも恐ろしい木なのだそうです。くれぐれもご注意ください。都道府県の花に毒があるなんて、珍しい気もしますね。

赤城山のほか、榛名山の榛名富士周辺や、尾瀬ヶ原、武尊山など、県内各地に群生地が見られまして、6月中旬を中心に、標高の高い場所では7月中旬頃まで花を楽しむことができます。それらの群生地の中でも、湯の丸高原のそれは天然記念物にも指定されている大群落でして、数万株のレンゲツツジが穏やかな風貌の高原に咲き誇るさまは、たいへん見ごたえがあります。湯の丸高原は、浅間山の西方、長野県境に聳える湯の丸山(標高2099メートル)の東側に広がる高原です。付近には鹿沢温泉をはじめ、鬼押し出しなどの観光スポットもあることから、例年多くの観光客がレンゲツツジの花の海に酔いしれているようです。

レンゲツツジ

レンゲツツジ(YSK画)

レンゲツツジの魅力は、やはりパステルカラーの鮮やかな色彩なのではないかな、と思います。定番の赤橙色のもののほかに、黄色のものもしばしば見かけます。レンゲツツジが目映いくらいの花を咲かせますと、上州は梅雨の季節を迎えていきます。里では麦刈り、そして田植えが行われていきます。

高原の蓮華躑躅の花は舞ふ


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