Japan Regional Explorerトップ > 都道府県花暦・目次

都道府県花暦

14(ももの花編)ページへ 16(リンドウ編)ページへ

15.オリーブ(香川県)

瀬戸内の青空に、オリーブの緑はきっとさわやかに馴染むものなのだろうな、と思います。香川県小豆島はオリーブの産地として知られておりまして、ほぼ全島においてオリーブの常緑の木を見ることができます。緑も鮮やかなのですが、オリーブの花も隠れた島の風物詩となっているようです。例年5月から6月上旬にかけて、島には小さな花が枝一面に咲きこぼれます。その小さな花は地面にゆるりと舞い降りますと、その姿は大地に星空が広がるようだと形容されるなんて話も伝え聞きます。初夏のかあんとした青空には、オリーブのさわやかな緑とともに、可憐なオリーブの花もまたあざやかに島を彩るのだろうな、と思えてきます。

オリーブの花

オリーブの花(YSK画)

香川県(小豆島)におけるオリーブ栽培の歴史は、1908(明治41)年に、当時の農商務省が、 オリーブを移植して栽培する地域として三重、香川、鹿児島の3県を指定し、アメリカから輸入した苗木で試作を開始したところ、それらのうちで、小豆島だけがオリーブの栽培に成功したことに始まります。その栽培成功以後、小豆島ではオリーブ栽培の試験研究が続けられるとともに、栽培が農家に普及していき、小豆島を中心に、瀬戸内の気候を共有している、岡山県や、広島県などにも栽培が広がっていったのでした。

その後、1959(昭和34)年にオリーブの輸入が自由化されたこともあり、外国から安価なオリーブオイルなどのオリーブ関連商品が輸入されるようになると、、最盛期ほどの栽培の広がりは見られないようになりました。その中にあっても、小豆島におけるオリーブ栽培は、地域の特産物として根強く栽培が続けられているものです。最近は、観賞用として見直されているようで、庭木として植栽されるケースも増えてきたようです。

いずれにいたしましても、小豆島を中心とした地域を象徴するオリーブは、豊かな季節感の一部として、しっかりと地域に根づいているのではないでしょうか。初夏のオリーブの花に溢れる小豆島の様子を、ぜひとも目にしてみたいものです。

オリーブの花舞ひ降りて海晴れる

このページのトップへ

14(ももの花編)ページへ

16(リンドウ編)ページへ

都道府県花暦・目次ページへ

ホームページのトップへ